A_LIFE Blog

ええおっちゃんになりたいおっちゃんによるブログ。カメラと自転車と英語と酒と泪と男と女と時々建築

           

I want to go to Tokyo station.から始まった外国人男性との物語

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街中で道を聞かれることがある。

何故か日本人よりも海外の人に聞かれる方が多い。

話しかけやすい顔の作りなのだろうか。

 

先日自転車に乗っていて信号で止まった時のこと。

すぐ前にいた原付に乗る東南アジア系の男性が話しかけてきた。

 

仮に名前をアンドレとしよう。

 

アンドレの話す言葉に耳を傾けると英語を喋っているようだ。

 

 I want to go to Tokyo station.

 

はっきり聞きとれた!

と自慢できるほどの単語ではないがなんせ聞き取れたのである。

 

満足気のろっくさん。

 

しかし、道のりを伝えるレベルの英語は持ち合わせていない。

いつ信号が青に変わるかわからない中で出た答えは、

 

 Go straight. 

 

すまぬアンドレ。

本当は右折も左折もするが今の私に言えるのはそれだけだ。

 

しかし、アンドレは笑顔でこう返す。

 

 Thank you!

 

やがて信号は青になる。

アンドレは再びこちらに笑顔で会釈をしたあと走り出す。

 

See you(あばよ!)と心の中でつぶやく。

 

交通マナーの神アンドレは時速30kmとキープレフトを遵守する。

スポーツタイプの自転車に乗っているろっくさんより少し早いくらいだ。

 

次も同じ信号で止まる。

まずい。その先には強制左折の罠が仕掛けられている。

キープレフターアンドレはその罠に引っかかってしまう。

 

勇気を振り絞ってアンドレに話しかける。

 

 Hey.  Next corner right. 

 

単語を並べただけがアンドレには伝わったようだ。

 

 This corner or that corner ?

 

負けじと向こうも単語で攻めてくる。

 

もともと英語が得意ではないのだろう。

名前のアンドレから欧米系の人を想像されるかもしれないが

これは私が勝手に名付けただけなのである。

 

 ろっくさん That corner. 

 

 アンドレ  OK. Thank you.

 

再び信号は青になる。

 

なんとか罠は切り抜けたが一難去ってまた一難。

皇居周りには強制左折の罠だらけなのである。

 

今度は信号で伝えるチャンスもない。

 

自転車のろっくさんが東京駅方面の車線に入り、

強制左折コースにいるアンドレに向かって叫ぶ。

 

 No the road ! This road come on !

  

そっちの道は違うからこっちの道にきてちょうだい!

と言いたいのだがこれ以上の表現は難しい。

 

ジェスチャー付きで何度も叫ぶがアンドレはの表情。

 

意味が通じなかったのか聞こえなかったのか定かではない。

 

そのままアンドレは罠に吸い込まれてしまった。

直進車線にいた私はまっすぐ行かざるを得ずここでお別れ。

 

Good Luck ! アンドレ!

と思ったが心配になり元来た道を戻る。

 

アンドレ発見。

自分が間違えた方向の道に進んでしまった事に気付いたようだ。

 

左折したすぐのところで別の日本人に道を聞いている。 

 

 I want to go to Tokyo station.

 

外国で何かしようとする人のたくましさを感じる場面であった。

 

今度こそ本当のお別れだ。

 

 アンドレ! いい夢見ろよ!

 

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