10代最後の夏に起こったハプニングとそこで出くわした優しさに感動した話し
今週のお題「20歳」
さかのぼる事10数年前。学生だった僕は長年の夢であったバイクを購入するためアルバイトに勤しんでいた。その甲斐あって20歳になる少し前にめでたく購入することができた。
ちょうど夏季休暇で帰省する前に納車までこぎつけ両親にバイクで帰る旨の連絡をした時はその後起こる出来事は想像もしていなかった。
バイク納車の二日後に帰省する計画を立てた僕は初心者マーク故、高速道路を利用する勇気がなく一般道でのんびり走ることにした。今思えばこれがハプニングの始まりだったかもしれない。
小学生の頃に父親が運転するバイクの後部座席で体験した風を切る快感を覚えてから約10年後に叶えた夢。気分が高揚して周りが見えていなかったのだろう。
実家と下宿先のちょうど中間地点に差し掛かった頃。僕は左折する車とぶつかりアスファルトに投げ出された。車の助手席側にぶつかった瞬間の運転手の驚いた顔は今でも覚えている。
お互いたいしてスピードが出ていなかったことが幸いして命に関わるほどの怪我はなかったのだが、バイクも僕も全治1ヶ月ほどの傷を負い、10代最後の夏休みはこうして終わったのであった。
そこで体験した出来事である。
バイクに跨ったまま道路に横たわる僕は自力で立つことができなかったため、事故とともにできたギャラリーの1人がバイクを起こしてくれた。しかしその青年は普段なら声をかけづらいタイプの風貌をしていた。
その後事故現場のすぐそばで店を営む少し不思議な雰囲気をもつおじさんが傷の手当てや警察への連絡などいろいろお世話をしてくれた。
人は見かけによらない!というと失礼な気もするが、知らない土地で起こったハプニング時に触れた二つの優しさは未だに忘れる事なく記憶の中に残っている。
他人のハプニングに出くわした時には中々一歩前に踏み出すことは難しいもんだが、2人の行動力に惚れ惚れした出来事であった。